チャレンジクラブフレンズのブログ

 ある日の活動で参加者のひとりが「タイムケアのブログは、全然更新されてないですよ。担当の人に言ってください。」と、その日のスタッフに言ったそうです。それを聞かされた時、ほんとうに申し訳ない気持ちでいっぱいになりましたが、チェックしてくれている参加者もいることが分かり、嬉しくもありました。その言葉にお尻を叩かれ、「よし!また頑張ろう!」と思った担当者の私です。

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余暇とは…?

 昨年、大学院に通われている学生さんが、卒論の研究に取り上げさせてもらいたいということで、タイムケアを利用していた2名のお子さんの観察に数か月間通われていました。その学生さんが、今春、卒業を前に、「余暇支援の発達的意義に関する研究」という題名の着いた分厚いファイルを持ってご挨拶に来てくださいました。100ページにも及ぶその論文は大変興味深い内容でした。

 冒頭に「余暇」概念について述べられた部分があり、ある研究者の言葉によると『余暇の活動とは「休息」「気晴らし」「自己開発」を満たす活動』だそうです。タイムケアでは「障がいのある子どもたちの余暇活動支援」を行っています。たくさんの体験を大切にした活動の提案を心がけているのですが、「自己開発」という側面から見ても、やはり体験を重視することは間違っていないかったと再確認できました。6時間の中でのんびり休憩したり、何かを作ったり、体を動かしたり、何かに挑戦したり、おしゃべりしたり、そのすべてが余暇なんですね。

 ご家族への聞き取りも記録があり、その中で「自分たち(親)だけだったら、させてないことが多かったと思う。タイムケアを使うようになってからは、出来ようができまいが参加することで、結果できるようになったことは多い。改めて考えるとタイムケアの活動のほとんどは経験したことない事だったから。」と話されており、また「タイムケアではいろんな子どもたちがいて、いろんなスタッフがいて声のかけ方も違っていて、本人はいらっとすることもあるだろうが、それでも活動に参加できているという事はこだわりの強いうちの子にはプラスになっているのかなと思う。」とも話されており、育成会のタイムケアの活動を認めていただきほんとうに嬉しく感じました。

 ご紹介したい内容はまだまだあるのですが、この辺で連休中の活動を中心にご紹介しますね。

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嬉し懐かしいお客さま

 育成会のタイムケアは平成17年の夏からスタートし、9年になります。その間、大勢の子どもたちが利用してくれました。スタート時利用していた高校生はもう20代後半になります。当時40代で元気に子どもたちと活動していたわが身を振り返っても、時の流れをしみじみ感じます。

 以前よく利用してくれていたAさんが、最近事務局を訪ねてきてくれるようになりました。高等部卒業後は、年に1回「ゆうあいスポーツ」で会う程度になってしまい、その時に声をかけても、そっけない態度だったので、Aさんの中ではタイムケアは終わってしまったんだなと思っていたのですが、そうでもなかったようです。

 最初は事務局(茂里町電停前ローソン2F)入口でうろうろする不審な(?)人影に気付いた職員が招き入れたのですが、その後はほぼ毎週立ち寄ってくれるようになりました。タイムケア事務局が不在の場合は、相談支援事業所の職員が話し相手になってくれたりして、しばらく職員と漫才の掛け合いのようなやり取りをして「じゃあ、帰るけん。」と帰って行かれます。別の日は、Bさんが訪ねてきてくれて「〇〇さ~ん!」と飛びついて喜んでくれ、さんらいずのお菓子を買って帰られたこともあります。

 Aさん、Bさんに限らず、卒業してそれぞれに自分の居場所を作って頑張っている彼らの様子を見るにつけ、嬉しくなります。タイムケアでのたくさんの経験を通して、自分たちの理解者を増やし、1か所でも多く自分の居場所を作ってほしいなと思います。

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「わたしのいいところ」って?

 長崎市育成会には本人部会FICSという本人活動があり、年8回話し合い活動やクリスマス会などの交流会、グループホームの見学などの研修、そして研修会の主催を行っています。先日はそのFICSの中で「自分を知る」というテーマで話し合いをしました。

 時々本人さんから「〇〇さんからこんなことを言われて腹が立った。」という訴えを聞きますが、一方では他の人に同じような思いをさせているかもしれません。先ず誰もが長所と短所を持っていることを知ってもらうために、「自分のいいところ」と「自分があまりよくないと思うところ」を書いてもらいました。みなさん自分について振り返る機会もあまりないためか、なかなか筆が進まないようでしたが、「元気がいい」「あいさつが上手」「まじめに仕事をする」「仕事がていねい」「力がある」など、職場や事業所で褒められた言葉が多く挙がりました。

 後半では他の人から見たそれぞれのいいところを言ってもらいました。「洋服のセンスがいい」「明るい」「笑顔がいい」「やさしい」「難しいことばを知っている」など、たくさんの褒め言葉をもらい、はにかみながらも満面の笑みで聞いていらっしゃいました。褒め言葉は人を前向きにしてくれますよね。

 タイムケアでも子どもたちを褒めるということをスタッフ間で共通理解しています。「できたね」「すごいね」「助かるよ」と、褒められることで自己肯定感が増し、自尊感情が育ちます。この感情は成長していくうえで欠かせないものなので、意識的に褒めることでしっかりと伸ばしてあげたいなと思います。

 では、今回は9,10月の活動をお知らせします。

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「うちの子、できないんです」

「どうして、お母さんたちって、お子さんができることまで、できませんって言うんですか?」と、ある日、学生スタッフの一人から尋ねられました。

どういう意味か聞くと、朝から送って来たお母さんたちと、その日の体調や気分などを聞く際に、その日の活動に関連して、「うちの子は〇〇できないんです。」とか「〇〇はしません。」「〇〇は食べません。」などというお話をされるが、意外とやってみるとできることがあるので、なぜできることをできないって言うのか不思議に思ったそうです。

それは、謙遜している部分もあるのかもしれませんが、多くの場合、「支援があればできるかもしれないけど、ひとりではできません。」という意味で言われているのでしょう。また、実際親の前ではしないことも、親がいないところでは、自分がやるしかないと思って自分でやるのかもしれませんし、周りの仲間がやっているのを見て、自然とできてしまうこともあるのかもしれません。

親は自分がわが子のことを一番知っていると思っているつもりですが、障害があることにとらわれ過ぎて、本人の可能性には案外考えが及ばないものかもしれませんね。たくさんのできない事や苦手な事が、タイムケアの仲間の刺激やタイムケアスタッフの支援で、できるようになり、自信を持てるようになってもらえるといいなと思います。

では、6,7月の活動を中心にお知らせします。

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成長のチャンスを逃さない!

 以前も書いたことがありますが、「人には失敗する権利があります。なぜなら、人は失敗して成長するものだから…」という言葉がとても印象深く頭に残っています。

 先日、「まだ帰ってこないのですが、何時頃解散しましたか?」という電話を、お母さんからいただきました。結局いつも帰ってくる時間から1時間ほど遅れて無事帰宅したと連絡があり、一安心。手にはペットボトルのお茶を持っていたとの事でした。以前参加した時にお茶が足りなくなって、スタッフが立て替えて買ってあげたことがあり、念のためお茶代を財布に入れて持たせていたとの事で、どうもそのお金でお茶を買うために寄り道したようです。「それを待たせたせいですね。もう持たせない方がいいでしょうか?」と、心配されたお母さんは気にされていましたが、”足りなくなった時のお茶代”という意味が理解できなかったかもしれませんし、帰る時点でお茶が空だったから買わなくてはいけないと判断したのかもしれません。もしかすると、お金があったのでちょっと寄り道してみたかったのかもしれません。

 このことで、「もうお金は持たせない。」と判断してしまうと、足りなくなったから買うという体験やそれを判断する機会を奪うことになります。ましてや、またいなくなると困るから「もう一人では行かせない。」となると、せっかく自宅からハートセンターまでの行き来が自立できていたのに、その力を奪うことにもなります。私たちも失敗して会得したものがたくさんあるはずです。成長を願うはずの親が、成長の機会を逃すような事だけはしたくないですよね。

 さて、今日は春休みの活動を中心にご紹介します。

 

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本人主体って…?!

 年が明けたと思ったら、もう3月…。年を重ねると時の流れが速すぎてついていけません。coldsweats01

 さて、先月育成会の職員研修会があり、その中で「本人主体」についてのグループトークをする時間がありました。いくつかのケースが提示され、どういう支援がベストだったのかを考えるものです。「過去の家族からの情報をもとに、本人に確認せずにいくつかの選択肢から食事を決めた」「事前には行くと言っていたのに、当日になって足が痛いから行かないと言いだした本人を誘って、結局外出した」「家族が運動不足解消のため絶対参加させたいということで、したくないと言う本人に運動の活動に参加してもらったが、座り込んだりして積極的に参加しなかった」など6つの例が挙げられていました。3つめの例のように運動不足の解消、本人の健康を考えると運動をさせたいという親心も分かりますし、支援者の立場で言うと「無理強いしても本人は楽しくないだろう」という気持ちになるでしょう。「人員配置に余裕があれば、本人が好きそうな運動の活動に切り替える」という職員さんの意見があり、工夫しながら対応していただければ、親としては安心できるなと嬉しく思いました。本人の想いと親の意向の調整は難しいところですね。

 本人主体と言っても、本人のいいなりになることではなく、本人の不利益になることは本人に納得してもらって我慢してもらわなければいけないこともあります。大切なことは、なぜだめなのかを説明することですよね。タイムケアの参加者は学齢期のこどもたちなので、特に小学生の子たちにはついつい、「ダメ」で済ませてしまいがちですし、団体行動が基本なので、全員の願いを聞いて活動することが出来ず、残念ながら時には我慢してもらうこともあります。でも我慢することは成長につながることもあるはずですよね。これからも障がいのある人をひとりの人として認め、しっかりと説明し、意思を確認していきたいと思います。

 

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やっぱりタイムケア!!

 今年もあっという間に終わろうとしています。月2回と心に誓ったブログの更新は、2か月に1回という超スローペースになってしまいました。来年はもっと頑張って、子どもたちの楽しい様子をお伝えしたいと思っています。

 さて、育成会がタイムケア事業をスタートして丸5年が経ち6年目に入りました。最初は長崎市の委託を受けたのは育成会だけでしたが、その後、タイムケアの事業所も増え、利用する側も事業所を選んだり、複数を使い分けたりできるようになり、さらに使い勝手がよくなりました。しかし、最近ではそのタイムケア事業所が次々とデイサービス事業へと切り替わり、気が付くとタイムケア事業所はうちを含め2か所になっていました。

 デイサービスは送迎もあって、ご家族としては送り迎えの手間も省けるのが助かりますよね。育成会タイムケアも徐々に利用者が減ってきたこともあり、デイサービスへの移行も考えるべきではないかと言う声もありましたが、やはり育成会は親の会です。送り迎えは大変ですが、その中から自分で行き来できるようになる子も出てきますし、場所を持たない根なし草ではありますが、その分いろんな場所に出かけてたくさんの体験ができます。また車両も持たない分、バスや電車を使う体験もできます。「たくさんの体験をさせよう」というのが親目線ならではの育成会らしい活動になっています。そのよさを守っていくために、このままタイムケア型で頑張ります!!

では、今年最後の報告です。

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心を豊かに…

 「目的もなく、ただ毎日を過ごすだけの人間でした。人間のかっこうをしてそこにいるだけで心のない人間のようでした。心を豊かにするチャンスを持てなかったのです。」

 これは、権利を守るための当事者グループの活動を始めてから、人生が大きく変わったという障がいがある本人の言葉です。

 心を豊かにするってどんなことでしょうか。私たちは障がいのある人たちに対し、いろいろなサービスを提供し、安心して楽しく過ごしてもらえるよう、いろんな支援をしようと努力していますが、そのすべてが果たして障がいのある人たちが望んでいることなのでしょうか。難しいから、危ないからとやらせてもらえず挑戦する機会を与えられなかったり、わからないからと意見を求められず、自分のことを周囲に決められたりすることが多いと、達成感もやりがいも感じられずに、心を豊かにできないということなのかもしれません。そして、いろんな体験やいろんな人との出会いや関わりを重ねながら、心は豊かになっていくのかもしれませんね。

  タイムケアの活動は「体験」を重視していますが、支援者から見た一方的な体験に偏ってはいないか、失敗し乗り越えることも体験だということなど、また考え直してみたいと思います。

 では9~10月の活動からいくつかご紹介します。

 

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なんて呼ぶ?!

 タイムケアの今月の目標は「丁寧で、年相応の声のかけ方をしよう」ということになりました。スタッフミーティングで、言葉使いの話題になった時、「お手手とかお目目とか言うのはいかがなものか…」という意見があり、障がいのあるがゆえに、いろんな場面でわが子は子どもに扱われている気がするという、お母さんスタッフの一言から始まって、この目標に決まったのでした。

 育成会には”職員行動規範”というものがあります。職員ひとり一人は年齢も考え方も違いますが、利用者に対しては、同じ考え方や想いで支援していこういうことで、育成会の精神を反映させ、障がいのある人の人権を意識した内容になっています。

 その中に「利用者を〇〇さんと呼びます」という一文があり、育成会の事業所では利用者をさん付けで呼ぶようになっています。数年前、タイムケアでも「〇〇さん」と呼ぶようにしようと、早速実行しました。、今まで「〇〇ちゃん」「〇〇君」と呼ばれていたのが、「〇〇さん」になり、戸惑いを隠せない子もいましたし、中にははっきりと「その呼び方はいや」という子もいました。結局、社会人として、もう大人である人が通う事業所と、学齢期の子どもたちが利用するタイムケアを同じに考えなくてもいいのではないか、呼び方が変わることで自分のことだと分からない人もいるかもしれないし、そのせいで落ち着かない気持ちになることもあるだろうと、当時はタイムケアの活動では、絶対ではないけれどできるだけ丁寧な呼びかけ方にしようということに落ち着いたのでした。

 お母さんの中には、「〇〇さんという呼び方は、なんかよそよそしい感じがして好きじゃない。」と言う方もいらっしゃいます。ちゃん付けや呼び捨ては親しい感じがして、本人と支援者の距離が縮まる感じがするのでしょう。さん付けで呼んだから、良い支援ができるわけではありませんが、丁寧な呼びかけには丁寧な言葉が続きます。(「〇〇さん、~してください。」とか)、利用者の人権を尊重し、年相応に対応するということは大事なことですね。

さて、6~7月の活動をご報告します。

 

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