障がいのある子ども達の中には、ひとつのことに取り組むのが苦手だったり、1ヶ所にいるのが苦手な子がいます。Aさんもそういうお子さんでした。じっとしていられず絶えずウロウロ。部屋から飛び出していったり、みんなといっしょに行動しようとすると、「行かない!」とか「しない!」という返事が返ってきます。思うようにいかないと自傷行為や他傷もありました。
スタッフがどういう対応をしたらよいのかと迷う場合は、状況や、様子をよく観察することから始めます。Aさんは集団行動の経験が少なかったこともあるでしょうが、追ってくるスタッフの動きをチラチラ見ながら逃げる様子から、かまってほしいのだと感じました。
「叩いたらダメよ。」「うろうろしたらダメよ。」という声掛けを、「どうして叩いたの?」「どうしてあっちに行きたいの?」と、気持ちを聞くようにして、本人の思いに目を向けるようになると、徐々に自分の気持ちを話してくれたり、「ごめんなさい。」が素直に言えたりと、変化がみられるようになりました。
今でも「いや!」という言葉は出ます。じっとしていられない時もありますが、タイムケアに来始めた頃からすると、他の子を思いやったり、スタッフへの気遣いを見せてくれたりと、成長を感じさせてくれます。
子ども達が見せてくれる、成長が私たちスタッフの何よりの喜びです。うまくいかなくて凹む事もありますが、子ども達とのちょっとしたやり取りや笑顔に日々励まされてます
今日は「帆船祭り」と「ハンバーガー作り」
の報告です
●帆船祭り
帆船祭りに行く予定だった前日、雨
が降り、事務局とスタッフで相談して、念のためDVDを借りておく事にしました。多少の雨でも帆船は見に行く予定ではありましたが、子ども達が濡れてしまうようなことになっては困ります。「崖の上のポニョ」と「トイ・ストーリー3」を用意しました。当日は晴れましたが、風があり、少し肌寒いくらいの天気だったので、午前中はDVDを観て、午後から帆船祭りに行くことにしました。
到着すると、ちょうどセイルドリルという、帆を張る様子を見ることができました。ところが見始めてから、なかなか進みません。素人考えで、バーッと一斉に張るのかと思いきや、ゆっくりゆっくり進んでいきます。子ども達もだんだん飽きてきたようなので、移動することにしました。
テントではステンドグラス(セロファン紙で)の工作コーナーに行き、思い思いの配色でステンドグラスを作りました。船内公開では行列ができてましたが、並んで待つことができました。(中には列をみて「え~っ」と言う子もいましたが…。)その後は出店を冷やかして(誰も欲しがらなかったのはエライ
)、大波止ターミナルの2Fでゆったりくつろいでジュースを飲みました
●ハンバーガー作り
育成会のタイムケアでは、元宮少年交流センターという場所をお借りして、調理の活動をします。長崎市南部の布巻町にある衣笠球場に隣接した建物で、調理場と食堂を備えていて、広い部屋もあります。公園もあるので、タイムケアの活動にはぴったりです。
この日は「ハンバーガー作り」でした。佐世保バーガーならぬ「元宮バーガー」です。6種類の具材を用意し、重ねていきました。
調理は自宅でもなかなか体験出来ない事ではないかと思います。全く関心を示さないお子さんもいます。スタッフも始めのうちは、手を出す部分も多く、どこまでやらせていいものか迷いながらの支援でしたが、回を重ねる毎に手応えを感じるようになりました。子ども達は経験を積み重ねて、できることが増え、後片付けもしっかりと手伝ってくれるようになりました。
調理には関心が薄く、促されて渋々手伝うといったBさんでしたが、この日は野菜の水切り器にとても関心を示し、何度も繰り返してやってくれました。頑張ったBさんを褒めながら、これが次のやる気につながってほしいな…と思うスタッフなのでした
おっと、忘れるところでした。この日のハンバーガー、と~ってもおいしかったそうです