聞いて!うちの子のおもしろ話

2月の定例会は「聞いて!うちの子のおもしろ話」と題しておしゃべり会形式で開催しました。人はそれぞれ生まれ持った性格や、成長や環境によって培われた個性があります。障害のある人の家族や支援者は、その障害特性や感覚の特異性から来る行動を時として困り感として捉えることがあります。しかし障害特性も視点を変えれば愉快で楽しい個性と捉えることができるのではないでしょうか?

「あなたの子どもさんのおもしろ話を教えてください。」と問いかけると、参加者の皆さんからはとても楽しいエピソードがたくさん出ました。朝から事業所に出勤するのが嫌なAさんは「靴がかわいそう!いつも踏みつけられて。」と言われたそうです。それを聞いたお母さんは「少しやせたら?そしたら靴が楽よ。」と答え、それを聞いたAさんは納得して素直に出勤されたそうです。また、お父さんとバスで買い物に出かけたBさん。夕方なぜかBさんだけが帰宅。お母さんが不思議に思いBさんに「お父さんは?」と尋ねると「お父さん、グーグー!」なんとお父さんはバスで寝過ごし、終点まで乗り過ごしてしまわれたそうです。自分が降りるとき一言声をかけてくれればと思いがちですが、お父さんが隣で寝ていても、自分が降りるべきバス停できちんと下車できたと解釈するとすごい能力だと感じることができます。また、「ドライブでご機嫌な時、自然と出てくる鼻歌(独創的な作詞、作曲)に音楽的センスを感じる。」と話される方もいらっしゃいました。ケーキ屋さんにシュークリームを買いに行かれたCさんは「シュークリーム、おいくつですか?」と尋ねられ「16歳です」と答えたそうで、次々に出てくる楽しいエピソードに、みなさん爆笑の連続でした。

日々の生活では障害特性のため、本人だけでなく家族も困り感を共有しているものですが、切り口を変えて捉え直してみると、とても豊かでユニークでほのぼのしたエピソードばかりです。障害特性ばかりに目を向けず、一人一人の豊かな個性や感性に目を向け独特の世界に身を置いてみると、見える景色が変わってくるかもしれません。

次回の定例会は3月14日(木)13:00~ 長崎市育成会 大橋事務所”親心の記録”の記入もいよいよ5回目を数えます。4月13日(土)に著者である渡辺伸氏をお迎えしての研修会も予定しておりますので、研修会ともに定例会にも是非参加ください。

 

 

「障害年金の上手な使い方・貯め方」セミナー開催

昨年8月に「お金との上手な付き合い方セミナー」と題し、会員さんでファイナンシャルプランナーのお母様に来ていただきお話を伺いましたが、今回はさらにポイントを絞って、さらに深くお話していただこうということで第2弾を定例会として開催しました。皆さん関心が高く38名(お申し込みは43名)の方にご参加いただきました。

障害のある本人が働いている間は賃金と障害年金が本人の収入となりますが、企業就労か福祉的就労かによって賃金は異なりますし、年金の金額も一種と二種では異なります。自宅で暮らしているか、グループホームに入居しているか、ひとり暮らしかで本人の支出も大きく変わります。そこで支出を「日常の財布」と「将来に向けての財布」の2つに分けること、「日常の財布」には「病気やけがに備える仕組み」(障害があっても入れる保険)が必要であること、障害年金を「貯める」ことを考えると一生涯受け取れるということで障害があっても入れる個人年金保険の利用が効果的という話がありました。

 また親に収入がある間は障害のある子に対して援助も出来ますが、状況によっては障害のある子の年金を頼りにすることもあるかもしれません。経済的死亡(生きているのに働けない就労不能状態)、収支の悪化、物価や消費税の上昇など、さまざまな原因で支出が上回らないよう親自身も収支のバランスを保ち、「貯める」ことを考えること、そのためには金利と複利を味方につけることが大切だそうです。

親も子も長生きした時に困らないように備えることが大切であり、親のことを考えることが子どものためになるという言葉が身につまされました。

次回の定例会は「聞いて!うちの子のおもしろ話」というテーマでおしゃべりしませんか。障害特性から来る困った行動も見方を変えれば愉快な行動だと思えるかもしれませんよ。

2月13日(水)10:00~12:00 ハートセンター5F社会適応訓練室

 

みんなで書いてみよう PART 4 !

2018年最後の定例会は「みんなで書いてみよう パート4!」と題して4回目となる”親心の記録”を記入しました。今回は”コミュニケーションや社会性”、”移動や外出時について”を記入しました。知的障害とりわけ自閉症などの発達障害のある方々はコミュニケーションの困難さが問題として挙げられます。長年一緒に生活する親であってもスムーズにコミュニケーションを図ることはなかなか難しいものですが、そんな親だからこそわかるその人なりのコミュニケーションの図り方を、第三者に伝えるという重要性に改めて気付かれたようでした。また、他の参加者の方のお話を聞くことで、それぞれが自分と子どもとのコミュニケーションの見直しにもつながる重要な作業だと感じられたようでした。さらに「いつもこうだからと勘違いして決めつけた行動をしてしまい、本人の真意が別にあったと気づいた時に反省した。」と話された方もいて、親であっても(親だからこそ)障害のある本人の真意はどこにあるのかを探すよう心がけなければならないと感じました。

”移動や外出について”は、その障害特性でもあるこだわりから来るエピソードで盛り上がりました。公共交通機関を利用するとき、自分の好きな席(バスの一番前の左側)に座りたくて他の人を押しのけて座ろうとしてしまう、周囲の人と適正な距離感を測るのが苦手なため他の人に接近してしまう、など社会的なルールやマナーを守ることができにくい方も多いようです。参加者一人一人いろいろな困りごとがあるようでしたが、”親心の記録”を事前に支援者に見てもらうことでトラブルを未然に防ぐことができるのではないかと思います。”親心の記録”も残すところあと3ページとなりました。一人ではなかなかはかどらない記入も、定例会で他の参加者と話し合いながら記入することで新たな見方ができたり、今まで気づかなかった受け取り方が出来たりとより深い物になっていくようです。

4月13日(土)10:00~ハートセンター2階研修室にて、”親心の記録”を監修された渡部伸様をお迎えして研修会を開催する予定です。ご自身も知的障害のある子の親でもあり、行政書士として「親なきあと」相談室を主宰されている渡部様の貴重な講演を是非この機会にお聴きください。