長崎市手をつなぐ育成会では、昨年の夏から障害理解啓発活動の一つであるキャラバン隊を組織し、現在17回ほど出動しています。キャラバン隊の活動の中で、「知的障害のある人の生きづらさはどこから来るものなのか?」を探るうちに、知的障害のある人(特に発達障害を含む自閉症スペクトラムの方に顕著に表れているものですが)の感覚の問題に直面しました。今回の定例会は、障害特性から来る”生活するうえでの困難さ”について話し合ってみました。
参加者の皆さんが共通して挙げられたのは、スケジュールに関するものでした。日程が決定するまで何度も何度も訊ねてきて親御さんが閉口するというのはよく聞く話ですが、天候で行事の日程変更を余儀なくされ混乱した経験のある方は天気の変動にも敏感なので、スケジュールばかりではなく天気予報にも気を配らないといけないという方もいらっしゃいました。また聴覚に過敏さをお持ちの方は公衆トイレのハンドドライヤーや、赤ちゃんの泣き声、また花火や雷が苦手な方もいらっしゃるようでした。苦手な音でパニックになった経験をお持ちの方も、成長と共に経験を重ねたことで以前ほどの酷いパニックや恐怖感はなくなっているように思うと話された方もいらっしゃいました。過敏さとは逆に痛みに対して鈍感さをお持ちの人も多く、爪をかなり深く切りすぎたり、指先の逆剥けをずっとむしったり、自分の指を強くかんだり、また怪我をしても平気な顔をしてるなど沢山のエピソードがありました。感覚の過敏さや鈍感さ(鈍麻)については一般の人には理解が難しいものですが、障害特性を理解してもらううえで重要なポイントでもあると改めて思いました。
次回の定例会は12月20日(金)10:00~12:00 長崎市育成会大橋事務所会議室にて、障害特性からくる困難さの第2弾、特に「感覚過敏と感覚鈍麻」について、さらに深く話し合ってみましょう。対応策も皆さんと探ることで新たな気づきがあるかもしれません。