「親心の記録」第2章 本人の好きなことは?

6月の定例会はハートセンターに場所を移して開催しました。「親心の記録」第2章も3回目となり、この日は「本人の好きなこと」というページから取り掛かりました。室内での好きな遊び、屋外での好きな場所や遊び、乗り物、そして友だちのことを記入するようになっています。

室内での好きなことはやはりテレビで、ほとんどの方がよく観ているようでした。特定のチャンネルや番組、CMを好んで観る人、録画もする人、テレビの出演者になりきる人など、テレビ大好きな方が多く、タブレットなどでYouTubeをよく観るという方もおられました。しかしテレビ以外となると、ゆるキャラに手紙を書く、メモ帳に落書きして破く、プチプチを潰す、広告紙をびりびりに破くなど、テレビほど時間を割く楽しみは少ないようです。また、テレビをつけていても観るわけではない、ジグソーパズルや写経をさせればするけれど、好きでやるわけではないと、好きなものを見つけてあげられないことを悩んでいる方もいらっしゃいました。

屋外での好きなこととなるとドライブや買い物を答える人が多く、週末は本人が行きたいところに親が連れていくという方は多くいらっしゃいました。しかし親も年を重ね体力的な不安から、この先子どもを連れて出かけられなくなると我が子の楽しみを奪ってしまうのではと心配される方もおられました。親が楽しみを提供できている間はいいのですが、どこかで別の楽しみを見つけてシフトチェンジをする必要があるのかもしれません。一方、自分で調べて予定を立て一人で好きなところに出かけるという方もいらっしゃいました。

「たまにはハートセンターで」という要望に応え、今月はハートセンター会議室で開催

友だちについては、全員が一般的に考える友だちはいないと答え、顔や名前を認識している人はいても、いっしょに出かけたり時間を過ごす相手はいないと言われていました。それでも、話はしなくても同じ場所にいて同じことをしてほしいと言われる方もいらっしゃいました。

今回話題になったのは余暇の過ごし方です。休日や帰宅後何もすることがなく退屈そうという声は複数の参加者から上がりました。知的障害のある人は小さいころから好きなことや楽しみが親任せになりがちです。経験を重ね好きなことが増えていけばいいのですが、障害特性やこだわりもあり、新しいことを受け入れ難い人もいるので、楽しみを見つけるのに苦労します。特に障害が重度なお子さんをお持ちの親御さんは悩みが深く、「よそのお子さんの話を聞いて、うちの子はできないことばかりだと思ってしまった。」と言われていました。また、「重い障害のある人たちが好む遊びや感覚刺激を知るためにも事業所に作業療法士の配置または職員さんに専門的な研修を受けさせてほしいとお願いした。」と言われる参加者もおられ、みなさん異口同音に賛成されていました。

次回は「コミュニケーションや社会性」「移動や外出時に配慮してほしいこと」のページを記入する予定です。続けて参加できなくても大丈夫ですので、ぜひご参加ください。

「長崎よかよか隊」初めての小学校出動!!

新型コロナの感染も収束とまではいかないまでも、やや落ち着きを見せてきた昨今、徐々に以前の日常を取り戻しつつあります。コロナ感染の懸念もあり出動する機会も少なかった「長崎よかよか隊」も少しずつお声掛けいただくようになりました。

長崎県下のすべての公立学校では5月から7月の一週間を”長崎っ子の心を見つめる教育週間”として、それぞれの学校で生徒がいのちの大切さを考える活動を行っています。この期間の研修として今回初めて諌早市の小学校にお声掛けいただきました。小学校の生徒を低学年・高学年に分けて2時間公演させていただきました。初めての小学生を対象とした活動ということで先駆的な啓発キャラバン隊でもあり長崎よかよか隊の師匠でもある”ひろしまあび隊”を参考に、新たに小学校低学年向け・高学年向けプログラムを作成しました。当日は自分と他の人との違いを認め、相手の立場に立って考え行動してほしいとの思いでプログラムを進行しました。参加された小学生の皆さんは質問にも元気に積極的に答えていただき、こちらも楽しくスムーズに進めることができました。

みはる台小学校高学年のみなさん

小学生の時から苦手なことや困難さを抱えて生活している障害のある人へ関心を持ち、理解してもらう取り組みはひいてはいじめをなくす一歩につながるかもしれません。”自分のことも人のことも大切に!”いのちの大切さを考えることにつながる経験になればと願った2時間の活動でした。       (Saya)