令和5年度育成会定期総会が実施されました

ここ数年のコロナ禍により以前のような対面型の総会は実施できていませんでしたが、今年度の総会はコロナの感染状況も5類に引き下げられたため以前のような形態に戻し、7月1日(土)長崎原爆資料館ホールにおいて総会と講演会を開催しました。

挨拶をされる理事長。
第4次5日県計画の振り返りや今後の展望について話をされました。

第5次地域福祉5か年計画について話をされた寺田事務局長。

総会では谷理事長が第4次地域福祉5か年計画の総括を中心に話されました。今年度から動き出した基幹相談支援事業や啓発事業の知的・発達障害理解啓発活動などについて説明されました。その後寺田事務局長が今年度から始動する第5次地域福祉5か年計画について説明されました。

分かりやすい言葉でユーモアも交えながら聴衆を引き込んでいかれる又村氏。長崎新聞の取材も受け記事にしていただきました。

講演会には130名が集まり、そのうちの3分の1は会員ではない方々で、育成会を知っていただく機会にもなったのではないでしょうか。

後半は全国手をつなぐ育成会連合会専務理事兼事務局長の又村あおい氏を講師に迎え”「親なきあと」は「親あるうち」に”の講演会を実施しました。知的・発達障害のある人の「8050」問題(知的・発達障害のある子どもが50代になった時には親は80代になり子どもに対して今までのようなケアが出来なくなる)や、お金と住まいに関することを最新の障害福祉サービスの動向と圧倒的な情報量を基に明快に解説されました。知的・発達障害のある子を持つ親にとって大変不安を感じながらも漠然とした問題を一つひとつ歯切れよく、時には笑いも交え説明され、1時間30分の時間もあっという間に感じるほど引き込まれる講演会となりました。参加された方から寄せられたアンケートにも「大変わかりやすくなかなか人には聞けないお金に関することを聞けて参考になった」「今まで聞いたことがない内容で非常にためになった」「具体的な方法や考え方を説明いただき勉強になった」など大変好評をいただいたようでした。

今後も会員や支援者の皆さんが一同に会し社会福祉法人としての育成会の動向を知り、研修会で情報を得ることができる総会が実施できればと思います。

 

「お父さんはどうかかわってる?」

SDG‘sの一つの理念として多様性が叫ばれている昨今、子育ては母親が受け持つという概念も薄くなってきつつあるのかもしれませんが、やはり主に子育てを担ってきたのは母親だと思います。殊に障害のある子どもの子育てとなるとなおさら母親の役割は大きいものがあると言えるのではないでしょうか。療育や通院そして学校や福祉関係とのやりとりなど障害のない子どもの子育てに比べ母親が子どもの関係する機関と関わる場面は多くなりがちです。また、障害福祉サービスの契約や更新、障害年金の手続きなども母親が対応されているご家庭が多いように思います。加えて共働きが増えたとはいえ、父親に比べて母親が障害に関する勉強会や研修会に参加する機会が多いため障害に関する知識も多くなります。

ではお父さんは知的障害のある子どもとどのようにかかわっているのでしょう?参加者の皆さんのお話しをお聞きすると、それぞれのご家庭でお父さんの”役割”が幅広くまた多岐にわたっていることを知ることが出来、皆さんのエピソードを大変興味深く拝聴しました。朝から一日のスケジュールを把握しないとパニックになってしまう子どもさんのために、お父さん自ら絵カードを使ってスケジュールを示してくれるので朝から子どもさんが安定して登校することが出来ているというお話に皆さん感心しきりでした。また、障害福祉関係の手続きは全て自分でしているというお父様のお話に羨ましいという声も上がりました。障害特性は理解はしているものの、声かけだけに頼りがちだったり、厳しく叱ったりと父親のかかわり方に不満を感じているというお話もお聞きしました。身体障害を併せ持つ女性のお母さんはお嬢さんが生まれてから父親には異性という理由で一切介助をさせてこなかったそうです。自分が何らかの理由で介助出来ない状態になった場合、どうなるのだろうと不安を感じられているようでした。参加されたお父様からは「定例会等での父親の参加が無いので父親同士の横のつながりが持ちにくい。今後父親同士の交流が出来、意見や思いを言い合えるような企画を立てていただければ」とのご意見をいただきました。

それぞれのご家庭でそれぞれの親子関係、夫婦関係があり大変興味深いお話の数々をお聞きすることが出来ました。参加された皆さんも感心されたり、羨ましがられたり、あるいはご主人への愚痴に深く共感されたり、、、大変盛り上がった定例会になりました。

次回の定例会は「わが子の支援マップを作ろう!」と題して、現在利用している障害福祉サービスを記入してみましょう。「見える化」することで現在利用している障害福祉サービスと今後必要になるかもしれない支援について話し合ってみましょう。                                        日時:7月20日(木)10:00~12:00                   場所:育成会大橋事務所会議室         (小)