“親なきあと”相談室ってどんなことやってるの?

障害のある子どもを持つ親にとっての心配事の一つは、やはり”親なきあと”ではないでしょうか。親である自分に万が一のことが起こったり、判断が十分にできない状況に陥った場合、障害のある子どものお金の管理はどうしたらいいの?生活の場はどこに?など不安材料は多々あります。今月の定例会はそういった多くの疑問や心配事の相談に対応する「親なきあと相談室」を2014年から開設し、年間100件以上の相談を受けられている渡部伸さんのオンライン講演を視聴しました。ご自身も知的障害のあるお子さんをお持ちで手をつなぐ親の会の会長も務められています。以前長崎市育成会で企画した研修会にもご講演いただき、わかりやすくかつ軽妙にお話していただき参加された皆様に大変好評いただきました。今回のオンライン研修でもたくさんの相談事例を基に詳しく具体的に解説してくださいました。

”親なきあと”の課題として①お金②生活の場③日常生活のフォローと分類され、それぞれの課題を解説されました。また、相談事例も子どもさんの年齢や属性で分けて説明されました。中には障害のある人ご本人やきょうだいからの相談も受けられるようで、多くの興味深い相談事例をお聞きすることができました。さらに親の会などの研修会などに参加し情報を集め、孤立しないようにすることも重要であるとのお話に参加者の皆さんも共感されたようでした。10年前に渡部さんが開設された「親なきあと相談室」ですが、今では他県でも開設されいるようです。窓口があることで”親なきあと”の不安を少しでも具体化して、次のステップにつながる安心感があるように思います。長崎でも「親なきあと相談室」が開設されるに越したことがありませんが、育成会が相談窓口となり障害のある人の親御さんの悩みに寄り添うことが出来ればと思いました。

次回の定例会は4月18日(木)10:00~12:00 育成会大橋事務所会議室で行います。テーマは”お薬について”です。持病のために常に服薬しなければならない、パニックや自傷を抑え感情の波を出来るだけ小さくするためにお薬を利用している、一度飲み始めると止めることはできない?など日頃からお薬を服用されている方もいらっしゃるかもしれません。今回はどのようにお薬と付き合っているのか話し合ってみましょう!

 

グループホームってどんなところ?

2月の定例会は当会グループホーム事業の中平課長にグループホームについてのお話をお聞きするという企画でご案内したところ、これまでの最高記録21名の参加者がありました。

「いつかはグループホームに」という声は聞きますが、同時に「うちの子は自立できていないので無理かなあ」という声もよく聞きます。現在育成会のグループホームはケアホームも含めると12棟ありますが、どのような方たちがどのような支援を受けて生活されているのか、費用はどれくらいかかるのかなどお話していただきました。

 

当会のケアホームを除くグループホームには区分なしの方から区分6、年齢も 29歳から73歳までの方が入居され、日常生活のできない部分は支援してもらいながら生活されています。世話人さんや看護師さんが健康管理や通院介助をされており、全員定期的な歯科受診もされているそうです。気になる生活費はホームの家賃によって変わりますが、お小遣いをいれて75,000円程度、成年後見制度を利用されている方は10名ほどおられるそうです。

一通りホームの説明が終わると次々に質問が上がりました。「入居するときに何を準備すればいい?」「事故や虐待が心配だけどカメラは付いてる?」「入居するための基準(こういうことができなければならない)がある?」「うちの子は細かいことができないけど、グループホームとケアホーム、どちらを選べばいい?」「入居するのにどんな手順を踏めばいい?」「どうやって入居者を決めてるの?」「本人がホームを嫌がるのでどうしたらいい?」などなど、日頃より気になっていたことに対して、中平課長がひとつひとつ丁寧に説明してくださいました。「2時間ももつかな。」と心配されていた課長でしたが、時間いっぱい使って定例会は終了しました。詳しい内容はあじさい169号でお知らせします。

3月の定例会は当会でもお招きしたことのある「親なきあと相談室」主宰の障害のある子の親でもあり、行政書士でもある渡辺伸さんのオンラインセミナー「”親なきあと”相談事例とアドバイス」を視聴します。

とき:3月14日 13:00~14:30

ところ:育成会生活支援センター会議室(大橋)