今回の定例会は日々の生活の中で意識することが薄いと思われる”知的障害のある人の権利”について話し合ってみました。人としての権利は誰もが平等に持っているものですが、知的障害のある人は自分の思いをうまく言えなかったり、そもそも言葉が話せなかったりして、本人の気持ちを確認することなく周囲が決めてしまうことが多々あるように感じます。たとえ知的障害が重度であっても本人の思いや意思があるのは当然ですが、親は「うちの子は重度で分からないから私が決めなければ」という親心でいろいろなことを決めてしまいがちです。事業所やグループホームなどでは本人の意思決定をどのように支援されているのでしょうか?全国手をつなぐ育成会連合会の2024年育成会フォーラムで事例報告をされた動画を視聴し参加者の皆さんで話し合ってみました。
知的障害のある75才の当事者の方とその方を長年支援されている支援者とのインタビュー形式の動画を見ました。関西弁でテンポよく軽快なやり取りをしながら時折笑いがこぼれながらも、深く考えさせられた動画でした。支援者の方の「本人が生きたい生き方を支える」という言葉が胸に刺さりました。「5才程度の力を6才、7才、8才に伸ばすということではなく、今の力をどう活かし生きていくのかに重点を置き、地域も巻き込みながら支援する」というお話に大変感動しました。参加者の皆さんも「こういう支援者に巡り合われたのはラッキーだと思うし、羨ましい」という意見も出ました。また、「今までわが子の意思決定や権利ということを深く考えたこともなかったが、今日は改めて本人の意思(本意)や権利の大切さを考えることが出来た」と話された方もいらっしゃいました。
将来どういう生き方をしたいか?誰とどこでどんな暮らしをしたいか?という大きな決断や選択は一朝一夕にできるものではなく、日々の様々な経験や体験を経て他者との信頼関係の上に成り立つものだと思います。何を食べる、何を着る、どこに行きたいなどの日常の小さな選択を重ね、成功と失敗を繰り返し、なりたい自分になる権利を行使できるよう親として寄り添いながら支えて行けたらと感じた定例会でした。
次回の定例会は5月16日(金)育成会生活支援センター会議室にて10時より テーマは未定ですが、参加者の皆さんといろいろなお話をすることで新たな視点や考え方を知る機会が持てます。お気軽にご参加ください。