本格的なクリスマスリース作り

最近の定例会は成年後見制度をはじめとした親なき後の話題や障害のある人の健康問題など研修的な内容を中心に行ってきました。今回はガラッと趣向を変えて講師の先生をお招きしクリスマスが近づくこの季節にぴったりのクリスマスリースを作成するワークショップを実施しました。

講師の先生が準備してくださった植物の清々しい香りに包まれ、和やかな中にも参加者の皆さんは黙々と集中してリースを作られていました。ユーカリ、薩摩杉、樅木それに赤い実が愛らしい山帰来、、、同じ材料を使っても完成したリースはそれぞれ個性的な素敵な作品ばかりでした。「こんな本格的なリースを作ることができて感動!」「グループホームの息子の部屋に飾りたい」と皆さん完成したリースに自画自賛されていました。クリスマスが過ぎてもドライフラワーリースとして楽しめるとのことで、皆さんどこに飾ろうかと思いを巡らせていらっしゃいました。今年のクリスマスは手作りのリースがそれぞれのご家庭に彩を添えることでしょう。

リースの土台に色々な種類のグリーンを刺します
同じ材料でも作る人の個性が出る仕上がり

 

皆さん真剣に作品作りの取り組まれています

次回の定例会は1月20日(木)10:00~12:00 育成会大橋事務所会議室にて行います。お気軽にご参加ください。

 

2年ぶりのバスハイク!

コロナ禍で2年連続実施出来なかった育成会バスハイクを去る10月31日(日)実施することができました。行先は平戸!4月にリニューアルした平戸城見学をメインに、平戸の海の幸を楽しむコースでした。コロナの感染状況によっては実現可能なのか、当日まで大変気を揉む日々でしたが、考えられる限りの感染予防対策を講じ実施することができました。

当日は天気にも恵まれ、快適なバスの旅となりました。晴天に真っ赤な欄干が映える平戸大橋やリニューアルして様々な趣向が凝らされた平戸城散策など充実した秋の一日を楽しむことができました。参加者の皆さんはコロナ禍で県外はおろか県内に出かけることもできず我慢を重ねられていたため、久しぶりの日帰り旅行を楽しまれていたようです。「来年のバスハイクはどこに行きますか?」「来年も必ずバスハイクに参加します!」とうれしいお声をいただきました。この先のコロナの状況次第ではありますが、会員の皆さんの親睦とリフレッシュの機会となる育成会バスハイクが来年も必ず実施できることを願うばかりです。

晴天の下、平戸大橋をバックに参加者の皆さんと
昼食は平戸の海の幸を堪能

話すことによる振り返り

今月の定例会は、長崎市育成会に約一か月間実習に来られていた長崎純心大学地域包括支援学科のお二人の学生さんを囲んでの話し合いを行いました。学生さんに前もって、”障害のある子を持つ親御さんに聞きたい質問”を提出いただき、その質問に答えながら進めました。「障害を受け入れるまでの悩みは?」「障害福祉サービスについて(どういうきっかけで事業所を決定したのか、どのように情報収集をしているか、どんな障害福祉サービスが有ったらいいと思うか等)」「10年後のビジョンは?」「兄弟姉妹について今思うこと」「コロナ禍でどんな問題が起きたか?」など質問は多岐にわたり、学生さんの福祉に関する熱い思いと向学心の高さ、探求心の深さに感心しました。定例会当日は台風接近の影響で、当初参加の予定だった学齢期のお子さんを持つ親御さんにはご参加いただけなかったのが残念でしたが、質問に沿って話し進めることで沢山のエピソードを思い出し自分自身の子育ての振り返りができ、内容の深い定例会になりました。

 

 

 

 

 

今後の親と子の高齢化に向けた課題として、育成会の「共助」の仕組みをどう構築していけるのか、成年後見への疑問と不安、親なき後の本人の住まいと余暇の充実についてなど学生さんの質問から話がさらに発展する場面もあり、幅広い話し合いになりました。学生さんお二人も普段なかなかお話を聞くことが出来ない障害のある人の親御さんのお話を聞くことができ、貴重な経験が出来たと喜ばれていました。

次回の定例会は11月5日(金)14:00~ 育成会生活支援センター大橋事務所にて「”親あるあいだ”に考える 親なきあとオンラインセミナー」を受講します。以前長崎市育成会でもお招きし、大変多くの方に参加いただき好評だった渡部伸さんの研修会です。障害のある人の親なきあと お金の残し方と管理の仕組みについて一緒に勉強しましょう。是非お気軽にご参加ください。

 

 

定例会「理事長を囲んで」

コロナ禍にあって、2年連続で定期総会も中止になってしまい、事業報告や今後の展望など、理事長の考えは広報で読んでいただくしかありませんでした。そこで育成会のことや事業のこと、会員活動のことなど直接理事長に聞いてみようということで、8月は「理事長を囲んで」と題して、定例会を開催しました。

事前にメールでもご意見をいただいていたのですが、時間が足りなくなってしまったので、メールで寄せられたご意見については広報あじさいを通して少しずつご紹介させていただきます。

「土日ショートステイを利用しているが、特にこれといった活動がないので本人が退屈している。外出や制作などなにか活動を取り入れてほしい。」「グループホームでの平日の夕食前後、テレビだけではなく楽しく時間が過ごせるよう、本やゲームなどがあるといい。」「育成会で申し込むと全国大会などの交通費が高いので、もう少し安くしてほしい。」「法人後見、親の会としてなんとか実現に向けた取り組みをしてほしい。」「強度行動障害者の支援についてもう少しドクターや心理師など専門職も含めたいろんな人との知恵の出しあいで支えてほしい。」「ショート利用時に抗原検査を求められたが、毎回あるの?」「会報の会計報告は目で見て分かりやすくできないの?」など、ご意見・ご質問など様々なご意見をいただきました。

理事長からは一つひとつに丁寧に説明をいただき、「それぞれの事業について、利用者の希望や改善すべき点は管理者に伝えます。」と約束していただきました。「法人後見については、難しい現状はあるものの、全国手をつなぐ育成会連合会の動きを参考にしながら進めていきます。」という言葉に、「後見利用を目指した取り組みを望んでいるので、先ず研究するセクションを作ってほしい。」と会員さんからも声が上がりました。

始まる前は「どんな意見が出るのかドキドキする。」と緊張気味(?)の理事長でしたが、最後は「育成会は自浄作用のある会でなければならない。言いたいことは何でも言ってしっかりコミュニケーションをとっていきましょう。」と結ばれました。終了後は「やってよかった。また機会を作りましょう。」と緊張が解けた笑顔で話されていました。みなさん気軽にご参加ください。

9月の定例会は育成会に実習に来られているお二人の大学生とのおしゃべり会を予定しています。保護者の方に聞いてみたいことがあるそうですので、ご参加いただき障害についての理解を深めていただく機会になればと思っています。

とき:9月17日(金)10:00~12:00              ところ:育成会生活支援センター会議室(大橋町)

 

「わが子の健康、どう守る?」

知的障害のある子を持つ親として、一昨年から続く新型コロナウィルスの感染を危惧しながら、これまで以上にわが子の健康に気を遣う日々を過ごされている方も多いと思います。コロナワクチンの接種も始まりましたが、知的障害のある人の中には病院や注射が苦手という方もおられ、接種後の副反応の訴えもままならない方も多いため保護者の方も大変気を揉まれているようです。

では皆さん、知的障害のあるわが子の日頃の健康管理はどうされているのでしょう?ケガ等一見して周囲が気付く場合は別として内科的な病気などは本人の訴えに頼れない場合(感覚的に低反応で痛みを感じてなかったり、違和感があっても言葉で表出できないなど)もあり、健康診断を定期的に受けて病気の発見につなげるしか手段がない場合もあります。また日頃から服薬治療を続けられてる方も多いようですが、その薬量の調整などに苦慮されてると話される方もいらっしゃいました。専門医を探すことの難しさ、理解のある医師や看護師との出会い、医師との相性、セカンドオピニオンの重要性、心の健康の保ち方など、皆さんに経験に基づく興味深いお話を聞かせていただきました。現在知的障害のある子と同居している方、既にグループホームに入居している方など様々でしたが親なきあと健康管理は第三者にお任せすることになるでしょう。健康管理は確実にしっかり行ってもらいたいものの、本人が苦しまないよう(痛みが続かないよう)過度な医療は望まないと話された方もいらっしゃいました。知的障害のある子の親にとって、今現在のみならず親なきあとの本人の健康管理は大変深く重いテーマだと思いました。

次回の定例会は8月19日(木)10:00~ 育成会大橋事務所会議室にて「谷理事長を囲んで」と題して行います。育成会事業所の運営、今後の展望、事業所の支援さらには育成会の行事についてなど小さいことでも構いません。理事長を囲んでざっくばらんにお話してみませんか?

成年後見制度を学ぼうpart3

6月の定例会ではご自身も社会福祉士として後見人の経験があるという育成会の相談支援事業「いんくる」の神林所長を迎え、成年後見についてのお話を伺いました。

以前高齢の認知症の方の後見人をされた所長が、どのようなお仕事をされたのか、後見人がついたことで被後見人の方の暮らしがどのように変ったのか、後見人としてどんなことを心がけながらサポートされたのかを分かりやすくお話しいただきました。話が進むと被後見人の方の生活が徐々に安定し、周囲との関りも良好なものになっていく様子が分かり、聞いている私たちも自然とほっとした気持ちになりました。その後、事前にお願いしていた「後見人として動いた時間や報酬」、「後見人がついたことでのメリットやデメリット」、また相談支援専門員の立場から、「後見制度利用に至ったケース」や、「近い将来後見人が必要となるかもしれないケース」などについても、こちらの要望に沿ってお話していただき、みなさん「具体的な話で分かりやすかった」と、とても好評でした。「後見人は本人の代弁者。正しいかどうかではなく、ご本人がやりたいのかどうかを大事にしました。」と話される所長に、「神林さんみたいな後見人さんだったら頼みたい!」という声が上がっていました。

話を聞かれた皆さんは、「きょうだいは遠方にいるので、やはり先では後見人さんのサポートが必要と思っている」「聞けば聞くほど迷ってしまう。」「きょうだいはいるけど、親なきあとの理想は同性の後見人さん。」「後見人が家族でも報告書の提出が必要って知らなかった。」「親の相続で大変だった。どこかのタイミングで後見申し立てしようと思う。」「今のことで精いっぱいだけどせめて記録はつけようと思う。」「後見人をつけたほうがいいと思うけど、自分もまだあと20年は元気だと思うから、もうしばらくは大丈夫。」などいろんな感想を話してくださいました。

所長の「後見人がご本人の代弁者となれるようその方の情報を記録に残しておいてください。」「報酬ゼロで引き受けるケースもあります、後見人がついたことで生活できなくなることはありません。」という言葉が心に残りました。

7月の定例会

自分の体調をうまく伝えられないお子さんの場合、親が健康管理をすることになりますが、健康診断などはどうされているでしょうか?病院に行くのを嫌がるお子さんは病気の発見が遅れて重症化しやすいという話も聞きます。またコロナのワクチン接種も気になりますよね。そこで7月の定例会は「わが子の健康、どう守る?」というテーマで話し合いましょう。

7月21日(水)10:00~12:00                 育成会生活支援センター会議室(大橋町19-19)

久しぶりの長崎よかよか隊出動

昨年から続くコロナ禍のなか、様々な活動に制限を受けながらの生活で知的障害の理解を広めるキャラバン隊活動も思うように出来ない状況下、4か月ぶりに「ななくさボランティアチーム」様から招聘いただきました。長崎一円にフラワーアレンジメントスクールを展開されている「花アトリエななくさ」様が新たな取り組みとしてボランティア活動を始動されるにあたり、知的障害理解の研修会を企画されその講師として「長崎よかよか隊」にお声掛けいただきました。

参加者の皆様は知的障害疑似体験に熱心に取り組まれ、今回初の試みとして作成した「知的・発達障害のある人の成長記録」(ある隊員のお子さんの実体験)を真剣な眼差しでご覧になっていました。2時間にわたる研修会を終えられて「障害のある方々はこんなにも大変な思い(感覚の問題など)をされているんだと初めて知りました。」、「実際の成長記録を見て感動しました。」など嬉しい感想をいただきました。研修会のお礼にと素敵なお花のアレンジメントをいただき隊員一同その美しさに大変感激しました。今まで知的障害のある人との関りが無かった方々に、知的障害理解の貴重な機会をいただき感謝の思いで会場を後にしました。

生活の場はどこに?

5月の定例会は青森県手をつなぐ育成会作成の「つなぐ・つながる 知的・発達障がいの子育てハンドブック」を参考にしながら「生活の場をどこにする?」というテーマで話し合いました。

ハンドブックには、生活の場として「グループホーム」、「入所施設」、「一人暮らし」、「自宅で家族と」という4つの例が挙げられ、それぞれに使える障害福祉サービスが説明されていました。それを読みながらわが子にどんな暮らしを望むか考えてもらいました。すでにグループホームをご利用の方に入居を決めた理由をお聞きしたところ、「当時は高齢化する自分たちのことを考えて決めたつもりだったが、振り返ればホームが完成したのをいい機会と捉えたことが大きかった。」と言われていました。また「方法があるのなら住み慣れた自宅で暮らせるようにしてやりたい。」「ずっとわが子と暮らしたい。」「どうなるか今は分からないが、親なき後も大丈夫と思える状態になるところまで見届けたい。」などの意見がありました。途中入所施設やホームでは空き時間に手持ち無沙汰で何をしていいか分からず、結果こだわりの行動をしてしまうというご意見から、余暇の話になりました。知的障害のある人は自分からしたいことを発信できない人も多くいらっしゃいます。「何でもいいので何か熱中できるものを見つけておいてあげるのは親として大切。」「ホームや施設にプレイルームがあればもっと楽しむ時間が増える。」などさまざまな意見がありました。

またお子さんの通院介助をいつまでできるか不安という話から、医療の確保についての声も上がりました。知的障害のある人たちは自分の体調をうまく伝えられず重症化することも少なくありません。ホームや入所施設に往診に来てもらったり、健康診断を充実させ、早期に病気を発見し治療することで通院を減らすなどの方策が必要になってくるのではないかという話になりました。

今回の話から、住む場、生活の場を確保しただけでは安心とは言えず、そこでの余暇の過ごし方や健康に暮らすことなども考えないといけないということに改めて気づかされました。次回は自身も後見人の経験がある育成会の相談支援事業所「いんくる」の神林所長に来ていただき成年後見についてのお話を伺います。6月22日(火)10:00~12:00の予定で育成会支援センター(大橋町)で行います。

成年後見制度を学ぼうpart2

4月の定例会は先月に引き続き「成年後見制度を学ぼう」というテーマで実施しました。今回は「障害のある人の家族のための成年後見セミナー」というウェブ上に公開されている動画を視聴し、その後みんなで意見交換をしました。まだまだ改善が必要な使い勝手の悪い制度という側面もあるようですが、必要とされている方もいらっしゃいます。学齢期のお子さんをお持ちの参加者もいらっしゃいましたが、みなさん真剣に話を聴かれていました。

視聴後のお話では「先ではわが子はグループホームのお世話になると思っているが、自分が死んだらホームの人が世話をしてくれるの?」「きょうだいに(お金を)使われるであろうことも覚悟して、それでもきょうだいに頼むしかない」「知らない人に後見人になってもらうより、わが子の様子を知っている事業所の支援者など福祉の人に面倒をみてもらいたい」「きょうだいにみてもらうのが理想だけど、きょうだいにはきょうだいの生活があるから頼めない」「ひとりっ子なので頼めそうな人がいない」など、それぞれに親なきあとへの不安を口にされました。

      視聴中のみなさん

一度後見人をつけると本人が亡くなるまで後見は続きます。後見人が先に亡くなれば、新しい後見人がつくことになります。後見人の希望は出せても、最終決定するのは裁判所です。今は親族より専門職(弁護士、司法書士、社会福祉士など)が選任される傾向にあるそうです。近年個人を後見人にするのではなく法人が後見人になる例もあります。「育成会が親の会として障害のある人たちを後見してほしい」という意見もあがり、みなさんうなづかれていました。

これまでも何度か成年後見を含む「親なきあと」について勉強してきましたが、これという答えを簡単に見つけられるようなものではありません。今後も視点を変えながら「親なきあと」について考える機会を作っていきたいと思います。

次回の定例会は5/20(木)10:00~12:00の予定で、育成会大橋事務所にて後見人の経験もある相談支援事業所いんくるの神林所長に成年後見人さんのお仕事などをお聞きしたいと思います。また終活の一つとして「成年後見ノート」をご紹介します。

毎年4月2日は世界自閉症啓発デーです!

毎年4月2日は国連が定めた「世界自閉症啓発デー」です。いやし・希望・平和を表す「青」をシンボルカラーとして、稲佐山電波塔、女神大橋、みらい長崎ココウォーク観覧車など長崎県内はもとより東京タワーや姫路城など日本各地でブルーライトアップが行われました。またライトアップだけでなく、長崎県自閉症協会と長崎発達支援親の会「のこのこ」でつくる実行委員会が主催して、4月2日から8日までの1週間、自閉症啓発ウィークとして長崎県庁1階エントランスホールにおいて、発達障害・自閉症を啓発するためのパネル・ポスターの展示や親の会の活動紹介なども行われました。今年はツナグアートワークスの協力を受け、自閉症や発達障害、知的障害のある方の作品が展示され、長崎市手をつなぐ育成会の会員でツナグアートワークスのメンバーでもある皆さんも、ありのままに自由に表現され、見る人の心がほっこり温かくなるような素敵な作品を出品されていました。コロナ禍の中、大規模なイベントは開催できませんが、こうしたささやかでも地道な啓発活動で一人でも多くの人に自閉症や知的障害を理解して頂きたいと思いました。

来場者にメッセージを書いていただき満開のさくら
パネルやポスターで自閉症や親の会の活動について紹介