障害特性とどう付き合う?

障害のある子を持つ親として、わが子の障害特性と長年付き合ってきてもいまだに理解で出来なかったり、受け入れられない行動の対応に苦慮する場面は多々あります。障害の受容はできていても問題行動といわれるような行動に直面すると落ち込んだり、悩んだりします。一方で障害特性を無視して誤った対応を繰り返してしまうと二次障害を引き起こし、ますます本人の苦しさは大きくなってしまうという話を聴き、深く苦悩される親御さんは私ばかりではないでしょう。ではどのような対応が本人にとって適切なのでしょう?

今回は応用行動分析学をベースに自閉スペクトラム症や発達障害、知的障害のある人たちとその家族を支援されている鳥取大学の井上雅彦先生をお招きして”ながさき知的障害児者生活サポート協会主催講演会”を実施しました。井上先生は全国手をつなぐ育成会連合会が発行した自閉スペクトラム症のわが子との日常を綴った4コマ漫画「家族はすったもんだ」の監修も手掛けられていますが、講演会の中でもその漫画の一コマを取り上げながら自閉スペクトラム症の人のあるあるな行動・言動を応用分析学の視点から分かりやすくそしてユーモアたっぷりに解説いただきました。1時間半の講演時間を延長してお話しいただきましたが、終了後のアンケートでも「講演時間を延長されたとのことだが大変わかりやすく、面白くあっという間に終了した感じだった」との意見が大多数でした。ともすると家族として振り回されてしまう障害のある人の”こだわり”も成長とともり変化するというお話に、わが子を振り返ってもそうだったと納得しました。親としては”こだわり”を失くすことばかりに気を取られてしまいがちですが、その”こだわり”にとことん付き合い、面白がれることが出来ればもっと生活自体が豊かになるのかも、、、と感じました。

参加者の皆さんも熱心に聴講され、時には大爆笑が沸き起こる和やかな雰囲気の中講演会を閉じました。「また井上先生の講演会に参加したい」「すごく分かりやすく改めて障害特性を学ぶことが出来た」というお声を多数いただきました。知的障害のある方のご家族をはじめ福祉事業所などの福祉関係者、学校の先生、行政関係の方々など広い分野の方に参加して頂き、今回の講演会を実施することができ良かったと改めて思いました。

※ながさき知的障害児者生活サポート協会とは・・・知的障害や自閉症を含む発達障害のある方とその家族の生活上での安全・安心を目的として設立されました。日常生活中、偶然な事故により他人にけがをさせたり、他人の物を壊したりした時の個人賠償責任補償や病気やけがで入院した時の補償(入院給付金)などに保険金が支払われています。長崎市手をつなぐ育成会は「ながさき知的障害児者生活サポート協会」の取り次ぎ業務を行っています。