親なき後の居場所は・・・

今月はテレビ新広島制作でFNSドキュメンタリー大賞を受賞した『彷徨う居場所~親なきあとわが子の居場所は~』を視聴しました。テレビ放映されましたのでご覧になった方もおられると思いますが、この番組は2人の障害のある子を持つ家族の日々を追ったドキュメンタリーです。国の「地域移行」推進により、入所施設の数は減少しています。その一方で地域の理解やグループホームなどの居場所としての受け皿はまだ十分とは言えません。そのような状況の中わが子が安心して暮らせる居場所を模索し続けながら、行政や国にも積極的に働きかけを続けるお父様の姿に色々と考えさせられることが多く、その懸命な姿に胸が熱くなりました。障害者権利条約の批准もあり”障害があっても地域で暮らす”という理念は素晴らしいものの、グループホーム建設に反対する地域住民が旗を立ててシュプレヒコールを上げる場面では、このような不寛容な世の中に障害のある人の居場所があるのか?と考えると胸が痛みました。

1時間弱の番組を熱心に視聴する参加者の皆さん

参加者の皆さんも「今入居しているグループホームが息子にとって終の棲家となるのか?」「24時間体制でヘルパーさんに支援してもらえば自宅で独り暮らしができる障害のある人もいると思うが、今の現状では人手不足もあり難しいだろう。」「利用している就労継続支援事業所が法人内でグループホームを運営していないのでグループホーム探しに苦労している。もしグループホームが利用できるようになったとしても、現在本人が気に入って通っている事業所の利用が難しくなる(距離的な問題で)のも考えものだ。」など様々な意見が出ました。グループホームや入所施設の数だけでなくその質も親にとっては大きな問題ではありますが、現状を知ることも大事なことだと思います。ある参加者の方は「この番組自体見てなかったので、すごく勉強になりました。」と言われました。一つのドキュメンタリー番組も十数名で視聴することでいろいろな意見を聞き、情報も得ることができ、考えるきっかけになります。”親なき後”に大きな不安はありますが、みんなも同じように感じていると知ることで少し心が軽くなった気がしました。

次回の定例会は10月17日(木)10:00~ 育成会大橋事務所会議室において「よろずお困りごと相談室」として、福祉に関してのことやこどもの謎な行動、障害のある子への家族の対応で気になる事など小さなことから大きなことまで皆さんで話し合ってみましょう。話すことで何かしらのヒントが見つかるかもしれません!