「後見人のリアル」とは?

長崎市手をつなぐ育成会では情報提供や会員同士の交流、会員のニーズを知る場として会員定例会を毎月開催しています。

3月の定例会は『成年後見のリアルとは?~親と専門職が語るギャップと実情~』という後見人も務めておられる行政書士事務所の代表と「親なきあと相談室」相談員で障害児の親でもあるお父様が語り合う動画を視聴し話し合いました。

動画では「後見人制度は悪い噂やニュースが親の耳に入ってくるせいか、できれば使いたくないと思っている親が多い。また親がわが子のためにお金を使ってほしいと思っても、本人の財産を守ることが大事だからと聞き入れてもらえないこともある。」という親の立場からの意見に、「後見人という制度は本人のための制度。まわりのことまで考えていないし考える必要もない。」と返す行政書士さん。後見人がつくとわが子のお金であっても、親が自由に出し入れすることはできません。わが子が幸せに、快適に暮らしてほしいという思いから「これを買ってほしい、やらせてほしい」という親に対し、後見人としては本人の財産が減らないようにという視点から、親の要望を断ることもあります。「後見人はこれはしてよい、これはしてはいけないという決まりはなく、それを後見人の判断に任せてしまっている現状も問題だ」と話されていました。また「後見人が誰になるか分からない、始まってみないと後見人がどんな判断をする人か分からない」ということを「後見人ガチャ」という表現をされたお父様に対し、「(後見人側から言うと)親ガチャもあります」と言われ、定例会の参加者も苦笑い。「親の思いに寄り添いすぎない、客観的な立場や視点に立った人が相応しいのでは」また「後見人を付けるタイミングとしては迷っている(ほかに選択肢がある)間、守ってくれる人がいる間は必要ない。」とも言われていました。

親の立場からは「後見人がどんな人になるか分からず、途中で変更もできない、報酬のことや後見人を付けると、死ぬまでやめられない」など使いづらい理由もあげられながら、最後には「わが子にどんな制度があり、どんな選択肢があるのか、たくさんの情報に惑わされず、正しい知識を身につけたうえで判断することが大切だ」と結ばれていました。

動画終了後、「細かいことを知りたい時はどこに聞けばいいの?」という声に対し、「相談支援事業所や社協さんの成年後見支援センターに聞いたらいいのでは」という回答や「財産はないけど後見人つけられる?」「市民後見人さんは財産の上限が500万までとなっているよ」など、会員さん同士での情報交換もありました。またごきょうだいから「この先どうするつもり?」と聞かれ、後見人制度の話をしたら少し安心したようだったというお話もありました。「市民後見人の講座を受ければ詳しい情報が得られるし相談支援事業所としっかりつながっておくことが大事」と話される方もおられ、ざっくばらんに情報共有や意見交換ができた3月の定例会でした。