親なきあとのコーディネーターは誰が?

先月の定例会でNHK教育テレビで放送された「親なきあと 我が子は・・~知的・精神障害者 家族の願い~」を視聴し感想を話し合いました。今月の定例会では、親なきあと手当や年金、サービス利用の申請や調整、関係機関へのつなぎを行うコーディネーターを誰に委ねるかというテーマで話し合いをしました。多くの親、特に母親は子供の誕生から医療、福祉関係の様々な手続きや調整を行ってきました。将来的に母親がその役目を負うことが出来なくなった時、誰が同じ役割を担ってくれるのでしょうか?皆さん、家族構成は違っても誰にコーディネーター役を担ってもらったらよいか、不安は大きいものがあるようでした。障害のある子の兄弟姉妹に将来的に頼みたいと思っていても、親と同じようには出来ないだろうし彼らに負担をかけたくないという意見や将来一緒に住まなくてもいいから気にかけてくれればいいという意見もありました。

後半は沢山の事例をお持ちの相談支援事業所「いんくる」の神林副所長に今まで担当された具体的な事例を基に、話していただきました。親身になって対応される様子が伝わり、親としては安心する一方、全ての相談支援事業所が同じような対応が可能なのか不安に思われてる方も多いようでした。相談支援事業所はサービス等利用計画書の作成を通して、家族の思いを聞いてくれる大切な存在です。担当の相談支援専門員を中心に、利用事業所の職員や家族で将来的に本人を中心に置くネットワーク作りが重要になってくると思います。今親としてできることは、わが子を支援してくれる人、わが子を知っている人を増やしておくことと本人の成育歴、服薬状況、かかりつけ病院など健康面の記録、手当や年金などの手続き関係の記録を家族や身内と共有することが大事になると思います。それにもまして重要なのは折に触れ家族で将来の話をしていくことだと感じました。

次回の定例会は10月15日(火)10:00~12:00 ハートセンター 1階 軽スポーツ室
10月はスポーツの秋ということで、皆さんで軽い運動をしましょう!エアロビクスの講師をお招きしてエアロビクスを取り入れたストレッチを中心とした運動をします。からだを動かし、心も体も軽くなりましょう。是非お気軽にお申し込みください!

NHK教育テレビ「親なきあと 我が子は・・・」を視聴して

今月の定例会は先日NHK教育テレビで放送された「親なきあと 我が子は‥~知的・精神障害者 家族の願い~」という番組を視聴しました。この番組は全国手をつなぐ育成会連合会を通して行われたアンケートの結果を基に制作された番組です。現在の障害福祉の現実と課題を浮き彫りにした内容で、大変興味深いものでした。親なきあとの”住まいの場”として注目されているグループホームも現実問題として、全国の障害者の約一割程度しか利用出来ない現状や、わが子の「親なきあと」の受皿として親の会でグループホーム建設を模索し、奔走する親御さんの姿は身につまされるものがありました。視聴後、参加者の皆さんと感想を話し合いました。「自分が子どもの面倒を見ることが出来なくなった後はグループホームでの生活を希望している。」と話されてる方が多く、まずは短期入所(ショートスティ)を体験させて、グループホーム入居に向けての練習をしている方が多かったようです。しかし、現在は入居できるグループホームを探すのも困難なようで、グループホーム増設と共に障害福祉の人材不足の解消が参加者の皆さんの切実な願いのようでした。

また、先日全国手をつなぐ育成会連合会から発行された”「親なき後」をみんなで支える”という書籍の紹介もさせていただきました。今年4月に長崎市育成会の研修会でご講演いただいた渡部伸さんが、親なき後の生活資金をどうする?というテーマで執筆されているほか、いろいろな切り口で「親なき後」にスポットを当てた書籍です。興味があられる方は長崎市育成会啓発事業までお問い合わせください。

次回の定例会は9月18日(水)10:00~12:00 大橋町19-19 育成会本部事務局会議室において、「親なき後のコーディネーターは誰?」というテーマで話し合いましょう。将来、親が子どもの面倒を看れなくなった時、親の代わりに福祉サービスの手続きや、調整、つなぎ、段取りなどを誰に託したら良いのでしょう?皆さんで考えてみましょう!

令和元年度定期総会開催

7月9日(土)原爆資料館ホールにおいて、「~手をつないで60年 新しい時を見つめて これからもずっと~」と題し、令和元年度定期総会が開催されました。来賓の方々をはじめ育成会会員や本人、職員、約300名の参加がありました。理事長あいさつの後、平成30年度事業報告等及び令和元年度事業計画の発表がありました。

後半は長崎市手をつなぐ育成会設立60周年を記念して『親なき後、これからの育成会への期待』というテーマで、育成会グループホームに入所されている4名の本人を中心にシンポジウムを行いました。4人の皆さんがそれぞれ、育成会からどのような支援を受け入所に至ったのかの経緯を説明され、今後育成会にどのような支援を望まれてるか、また将来の夢などを語られました。4名ともグループホーム入所までの葛藤や、亡くなられた家族との悲しい別れにも触れられ、会場の皆さんも深く感動され涙された方も多かったようです。「親が亡くなっても私たちの人生はまだまだ続く。だから前向きに頑張ったほうがいい。」と発表された本人の言葉は、障害のある子を持つ親にとって、大変強く心に響く言葉だったように思いました。

また、今回公募したシンポジストには会員からの応募はありませんでしたが、定期総会に会員の生の声を届けられるようにと「今後の育成会に望むこと」をテーマに定例会でも話し合い、その際に出た質問や要望を報告し、それぞれに回答をいただきました。グループホームの建設についてや子どもの老後(65歳問題)、ヘルパー不足への対応、職員育成についてなど多岐にわたり、会員の皆さんの育成会への期待の大きさを痛感しました。同時に期待が大きいが故の厳しさも感じた会員の”生の声”でした。

癒しのハーバリウムでリフレッシュ!

今年は遅い梅雨入りでしたが、梅雨入りしたとたんどんよりとした鬱陶しい気候が続いています。気分だけでも癒して頂こうと、今月の定例会はハーバリウムワークショップを開催しました。ハーバリウムとはガラスボトルに専用のオイルとドライフラワーなどを入れ、観賞用として楽しむオシャレなインテリアです。

育成会グループホーム支援センターの職員さんを講師に迎え約1時間半。11名の参加者の皆さんはワイワイと和やかに、そしてオイルを注ぐ時や最終調整でボトルの中の飾りを微調整する際は真剣に取り組まれていました。毎日の仕事や家事から暫し離れて、一つのものに真剣に取り組む時間は皆さんにとってリフレッシュできる時間だったようです。月1回の定例会では研修的要素を含んだ勉強会や話し合い活動の他、今回のように会員の皆さんにリフレッシュしてもらえるような取り組みも企画していきたいと思っています。興味のある活動などありましたら啓発事業部へお寄せください!

次回の定例会は8月22日(木)10:00~12:00 長崎市育成会大橋事務所会議室で先日HNK教育テレビで放送された「親亡きあと 我が子は‥~知的・精神障害者 家族の願い~」を視聴します。4月に開催した「親なきあと研修会」にも多くの方に参加いただき、皆さんの関心の高さを実感しました。今回は放送を視聴し、皆さんで「親なきあと」について話し合いましょう。

 

貴方は今後の育成会に何を望みますか?

創立60周年のアニバーサリーイヤーとなる令和元年度の定期総会が7月6日㈯に開催されます。今回の総会のテーマは「手をつないで60年 新しい時を見つめて これからもずっと」です。これからの育成会を見据え、会員、本人、職員一体となり、親なき後これからの育成会への期待をシンポジウム形式で発表、討議するそうです。

会員定例会でも会員の生の声を届けられるよう、「今後の育成会に望むこと」をテーマに話し合いました。将来、子どもの居住の場となるであろうグループホームなどの充実(数と質)を望む声が多く上がりました。また、福祉業界の職員の定着率の低さも、会員として危惧されてるようでした。わが子の障害特性に慣れた頃職員が退職し、新しい職員にまた一から説明しなければならない現状は育成会以外の事業所を利用されている方も同じ状況のようでした。労働力不足といわれて久しい昨今、職員の確保自体難しいと思いますが親としては、専門性を持った職員の定着に今後もより一層法人として取り組んでいただきたいとの意見がありました。

また福祉サービス利用に関して制度的な課題や問題点がいくつか上がりました。公的な福祉サービスで補えない点も育成会ならではのインフォーマルなサービス(生活ヘルプ等)を活用しつつ、運動体として行政に働きかけていかなければならないと感じました。また障害のある子の親や家族の将来の不安に寄り添う「親なきあと相談室」があれば心強いのではないかとの声もありました。

「お母さんたちがいなくなったら(倒れたら)どうしたらいいの?」というご家族、特に兄弟姉妹からの問いかけに、「困った時は育成会に連絡しなさい!と答えている。」とおっしゃる方もおられ長年の育成会が果たした役割の大きさを実感しました。いずれにしても育成会は親の会という大前提のもと、”親の会だからこその支援””親の立場に立った支援”をこれからもずっと追及してほしいというのが会員皆さんの思いのようでした。

次回の定例会は講師を招いて「ハーバリウムワークショップ」を行います。ハーバリウムとはオイルにきれいな花や緑を閉じ込めたものです。素敵なお花をオシャレな瓶に詰めて、自分だけのハーバリウムを作ってみませんか?わずかな時間、日常を離れ優雅なひと時を過ごしましょう!

7月18日(木)10:00~12:00 育成会大橋事務所会議室 会費(材料代)1,000円程度 申しこみ締め切り 7月8日(月)まで ※材料の注文がありますので、申し込み期日までにお申し込みください。

定例会 ケアホームさくらショートスティ棟見学会

爽やかな風が心地よい季節ですが、日中は初夏を思わせる日もあります。気温差が激しい折、体調に気を付けたいですね。

去る5月17日、長崎市育成会の定例会としてケアホームさくらに増設されたショートスティ棟(短期入所専門棟)の見学会を行いました。障害のある人の居住の場として近年熱い注目を浴びているグループホームですが、家を離れるステップとして短期入所を利用される方も増えており、通常の定例会より多くの方に参加していただき関心の高さを感じました。今回今年4月に完成したばかりのケアホームさくらのショートスティ棟を中心に、隣接するケアホーム三京とケアホームさくらも合わせて見せていただくことが出来ました。新築の香りに包まれ、シンプルで使い勝手が良さそうなショート棟の居室にはエアコンとテレビが設置され、空気清浄機も利用できるとのことでした。食事や入浴は基本「さくら」を利用し、状況によっては「三京」を利用することもあるそうです。その後ケアホーム「さくら」と「三京」も見学させていただきました。

また、短期入所の利用料や利用する際の手続きの流れ、短期入所利用時の過ごし方や日中事業所への送迎など細かく説明いただき、職員の方のきめ細やかな支援の仕方や徹底した衛生管理がされており、安心して利用できるように配慮されていました。

次回の定例会は7月の総会で「親なき後、これからの育成会への期待」というテーマで開催されるシンポジウムに合わせて、親なきあとを見据え、これからの育成会への要望など会員のみなさんの声をお聞きしたいと思いますので是非ご参加ください。

とき:6月17日(月)10:00~12:00              ところ:育成会生活支援センター会議室(大橋町19-19)

月に1度のお楽しみ!

4月21日(日)、平成最後、そして新年度初めてのお楽しみ倶楽部がありました。お楽しみ倶楽部とは 育成会が毎月1回第3日曜日(変更になる場合もあり)に2時間程度行っている本人向けの余暇活動です。

4月は会員の親睦と花見を兼ねて梁川から稲佐橋へと続く浦上川沿いの遊歩道散策を行いました。桜の時期は終わっていましたが、八重桜と藤の花がとてもきれいに咲いていました。月に一度の活動ですが、近況報告など仲間とおしゃべりする良い機会となっています。今年度も楽しく活動したいと思ってます。

桜の前で記念撮影

藤もきれいでした

ちょっと一休み

知的障害のある子の親なきあとは?

今年の春は気温が低い日が多かったせいか、桜を長く楽しむことができましたね!皆さんはお花見を楽しまれましたか?

長崎市育成会では会員定例会において、昨年から5回シリーズで「親心の記録」への記入に取り組んできました。その「親心の記録」の監修に当たられた渡部伸さんを講師に迎え、4月13日ハートセンター研修室にて研修会を開催しました。渡部さんは行政書士、社会保険労務士として活躍され、またご自身も知的障害のある子の親として「世田谷区手をつなぐ親の会」の会長を務められています。さらに知的障害の子どもの親の共通の悩みである「親なきあと」を共に考える「親なきあと相談室」を主宰され、日々その経験を基に各地で講演活動にも精力的に取り組まれています。

2時間の渡部さんの講演は実例を交え具体的に話され、ユーモアに富んだ肩の凝らない講演でした。「福祉制度は10年前より確実に良くなっている。しかしその制度を使うのは人である。子どもの利用している事業所、相談支援事業所、民生委員、親の会など何らかのつながりを持って制度を活用してほしい。孤立しないようにどこかとつながっていれば大丈夫!」とのお話は、ともすれば重く暗くなりがちな親なきあとのテーマに光を当ててくれるお話でした。100名ほどの参加者の皆さんも同じ親の立場で、普段聞きにくいお金の残し方や、相続の問題を率直にお話になる渡部さんの講演に大満足頂いたようでした。今後も会員のニーズに沿った研修会を開催していきたいと考えています。お聞きになりたいテーマや、取り上げてほしい話題がありましたら啓発事業部へご連絡ください。

 

 

 

 

みんなで書いてみよう!part5 完成!「親心の記録」

平成最後の定例会はいよいよクライマックスの「親心の記録」記入パート5です。「親として支援者に伝えたいこと」では、好みや生活習慣などからどんな人生を送ってほしいかまで、箇条書きにしてみると伝えたいことがたくさんあり、親の思いがあふれる内容となりました。「こどもの健康とその対応」については入院の手続きや介護や延命措置など気の重くなるような項目が並んでいました。中には、これを親が決めてもいいのだろうかと疑問を持つ方もいらっしゃいました。

親なき後も本人が好きなことを諦めず、楽しみながら生活できることが親としての切実な願いです。障害があっても豊かな生活の質を求め、親なき後も出来るだけ充実した生活をコーディネートしていただけるように、この冊子をわが子の支援に役立てたいと言われていました。まだまだ、書き足りないところもありますが、完成させたことで親なきあとの準備が一つできたような気持になり、みなさん小さな達成感を得られたようでした。

●シリーズ全て参加された宮坂季代さんの感想

どう伝えればいいのか迷いながら書きましたが、ほかの方の話が参考になり足りないところを付け加えることもできました。本人の老後など考えると辛い部分もありましたが、みんなで話をする事によって前向きな気持ちになれたと思います。書きながら現在の息子の状態も見直し、どのような支援が必要か考えるよい機会にもなりました。将来の為にという気持ちでしたが、すぐに活用できるので、周りの支援者の方に伝えていきながら、定期的に見直して、状態により変更や付け加えたりしていきたいと思います。記録の必要性は感じていましたが、なかなか一人では取り掛かることができなかったので、今回定例会がよい機会となり完成できて本当に良かったと思います。

5月の定例会は広報あじさい139号でもお知らせしましたが、ケアホームさくらにショートステイ用の居室が5室増築されましたので、以下の予定で見学に行きたいと思います。必ず事前にお申し込みをお願いします。

5月17日(金)10:30~11:30        10:25までにあじさいの家に集合(お車の方はできるだけ乗り合わせてお越しください)

お申し込みはタイムケア事務局☎095-5677まで

聞いて!うちの子のおもしろ話

2月の定例会は「聞いて!うちの子のおもしろ話」と題しておしゃべり会形式で開催しました。人はそれぞれ生まれ持った性格や、成長や環境によって培われた個性があります。障害のある人の家族や支援者は、その障害特性や感覚の特異性から来る行動を時として困り感として捉えることがあります。しかし障害特性も視点を変えれば愉快で楽しい個性と捉えることができるのではないでしょうか?

「あなたの子どもさんのおもしろ話を教えてください。」と問いかけると、参加者の皆さんからはとても楽しいエピソードがたくさん出ました。朝から事業所に出勤するのが嫌なAさんは「靴がかわいそう!いつも踏みつけられて。」と言われたそうです。それを聞いたお母さんは「少しやせたら?そしたら靴が楽よ。」と答え、それを聞いたAさんは納得して素直に出勤されたそうです。また、お父さんとバスで買い物に出かけたBさん。夕方なぜかBさんだけが帰宅。お母さんが不思議に思いBさんに「お父さんは?」と尋ねると「お父さん、グーグー!」なんとお父さんはバスで寝過ごし、終点まで乗り過ごしてしまわれたそうです。自分が降りるとき一言声をかけてくれればと思いがちですが、お父さんが隣で寝ていても、自分が降りるべきバス停できちんと下車できたと解釈するとすごい能力だと感じることができます。また、「ドライブでご機嫌な時、自然と出てくる鼻歌(独創的な作詞、作曲)に音楽的センスを感じる。」と話される方もいらっしゃいました。ケーキ屋さんにシュークリームを買いに行かれたCさんは「シュークリーム、おいくつですか?」と尋ねられ「16歳です」と答えたそうで、次々に出てくる楽しいエピソードに、みなさん爆笑の連続でした。

日々の生活では障害特性のため、本人だけでなく家族も困り感を共有しているものですが、切り口を変えて捉え直してみると、とても豊かでユニークでほのぼのしたエピソードばかりです。障害特性ばかりに目を向けず、一人一人の豊かな個性や感性に目を向け独特の世界に身を置いてみると、見える景色が変わってくるかもしれません。

次回の定例会は3月14日(木)13:00~ 長崎市育成会 大橋事務所”親心の記録”の記入もいよいよ5回目を数えます。4月13日(土)に著者である渡辺伸氏をお迎えしての研修会も予定しておりますので、研修会ともに定例会にも是非参加ください。