たくさんの方が一緒に過ごしているので、毎日違う色々なことが起きます。それに対して「同じ毎日じゃ無いのが逆に魅力だ」と言った職員がいました。面白い感想だなぁと思ったのを覚えています。
日々の様子も違うのですが、さらにこれまでの歴史を振り返ると利用者の方の様々な変化に気づいたり、今もなお新たな発見があります。
毎日明るい声が聞こえるA氏は「以前に比べ動きが機敏になりました」ときらりほっとで挙がったのですが、さらにその以前は一日中ウトウトと眠そうにされていました。もっと昔を思い出すと、ほとんど話をされず、いつもこだわりのジャケットを着てじっと立っておられました。こんなにも明るく、ご自分で機敏に行動されるようになられたことに、その当時から考えると、すごいことだなぁと感じます。
職員室に何か物を欲しいとB氏が来られるのですが、何を欲されているのだろうとわからないことが多いです。しかしある日、拳を口元に作りながら伝えてこられました。もしかしてマイクかな?とお渡しすると、スッキリした笑顔で受け取られました。上手く伝えてくださったなぁと感動しました。
Cさんは目が見えない方で、言葉でのやりとりが難しく、昼食の時に職員が食事の介助をさせていただいています。声かけを行いながら支援を行っていて最後の一口をお渡しするときに「Cさん、最後です。ご飯ですよ」と言いながら食器をお渡ししました。ご飯を口に入れられた後、食器を私に渡して、その後手をパッと合わされました。ごちそうさまとされているようでした。「最後です」という言葉が伝わったのかな?とビックリしました。初めてのことでした。
Dさんは食事に偏りがあり、事業所のお弁当を全く食べられない時期がありました。給食になってから5年が経ちますが最近完食できる日が見られてきました。一品でも食べれたら十分かなと思っていましたが、ずっと支援を行う中で決して無理することはせず、しかしタイミングをうまく見つけて行った声かけをDさんが受け入れてくれました。私は一品でも十分と思っていた方なので、十分だという考えが、それ以上は無理だろうという諦めと同義だったのかもしれないなぁと学び、予想だにしなかった変化に驚きました。
長崎市手をつなぐ育成会には職員行動規範というものがありますが、他に「本人活動について~今後の職員の支援のあり方~」というものが作成されています。その文章の中に、「支援者は本人の内在する力を信じることが大切だ」と書かれてあります。新しい発見や新しい変化を逃さずに、そしてその機会をつくるための支援には、お一人おひとりと丁寧に関わり、伝えてくださっていることに気持ちから耳を傾け、できる・できないとか好き・嫌いだとかを職員が決めつけずに、信じて関わることが大切だなぁと思いました。
この仕事は発見や変化を感じられる、きらりほっとすることが多い仕事だなぁと改めて感じました。みなさんもぜひ福祉の職員になってみられませんか?