お知らせ

第15回育成会職員研修会が開催されました

2018年2月14日

平成30年2月3日(土)育成会職員研修会が長崎県立総合体育館大研修室で開催されました。

午前中は、事業所(さんらいず、あじさいの家)の取り組み発表と「権利擁護について」の講話、午後は北九州市手をつなぐ育成会本部事務局長の松崎貴之様に「知的障害者の意思決定支援に関する取り組みについて」の講演をしていただきました。

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さんらいず(就労支援)は、「利用者の思いに寄り添う」というテーマにもとづいて、①適切な支援・不適切な支援  ②強度行動障害について  ③スッキリタイムの経緯と検討・実施  ④みかん狩りの実施と経緯と展望、などの4つの取り組みを発表しました。通所事業所という集団活動の中での、個々の思いに寄り添うことの難しさや限界に悩みながら、今後も「寄り添う」気持ちを忘れずに日々の積み重ねを大切にしていきたいという報告がありました。

あじさいの家(生活介護)は、「考察と実践を繰返し、日々の支援を深める」というテーマで、3名の利用者の事例を通しての①仲間づくり ②食事の支援 ③排便の意思表示の確立を目指した取り組みを発表しました。言葉での意思表示が難しい利用者の方に、細やかな観察と段階を踏んだアプローチを行い支援を深めていく過程はとても参考になりました。

「権利擁護について」は、当法人の長島理事より講話がありました。法律の内容を咀嚼し、事例を交えながら虐待と権利擁護について丁寧に説明され、「虐待はどこでも起きる。」「あなたの支援している障害者は今は何も言わなくても、もしかするとあなたの対応に苦痛を感じているかもしれません。心の痛みを感じているかもしれません。必死に自分なりに何かを訴えているのに周囲が汲み取れていないのかもしれません。」「感性を磨き、風通しのよい職場を作って下さい。」と話され、職員一人ひとりの胸に響く内容でした。

 

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北九州市手をつなぐ育成会の松崎様からは、障害者の自立は、自分の生き方や生活について自由に決定すること自己決定(自律)が根底にあり、どんなに重い障害があっても意思はある。障害のある人にとっては、日常的な経験の積み重ねが大きな選択に繋がるので、職員には意思決定支援の理解と実践が求められる。努力するのは障害のある人ではなく、支援者の方ですと話されました。

また当事者活動委員会で、当事者本人が出前講師として自身の体験談を地域住民に話し啓発活動をされている事や、A型事業所の利用者へのストレスチェックの支援としてチェック項目をイラストに図示化する合理的配慮に取り組んだ話を紹介されました。

具体的な取り組みをお聞きし刺激を受けるとともに、「本人(当事者)にしかできないことは、社会を変える力がある。」という松崎様の言葉が強く印象に残りました。

今回の研修会では、たくさんの学びがありました。虐待、権利擁護、意思決定支援、事業所の取り組みは、一見するとそれぞれ別の事柄のようですが、突き詰めると利用者の人権を尊重するという育成会の理念に通じると感じました。研修会で学んだことをしっかりと胸に刻み、職員一同、日々の支援に真摯に取り組んでいきたいと思います。